Last modified on Saturday December 16, 2017
ご存知の通り,アメリカを含む海外の大学院への留学には多額の費用がかかります.もちろんお金が余って困っているなんていう人は良いのかもしれませんが,そんな人はほとんどいないでしょう.そこで,ぜひ奨学金制度の利用を検討してみてください.なおここでの奨学金とは返済の必要がないものを言っており,いわゆる貸与型のものとは異なります(英語でScholarshipと言った場合には返済の必要がないものを常に指し,返済しなければならないLoanとは別物です).
奨学金には,大きく分けて出願先の大学によるものと,日本の国や企業,団体によるものの2種類があります.一般に大学の奨学金制度は競争率が高く,なおかつ州立大学などではIn-stateの学生を優先するため,獲得するのは非常に難しいと考えたほうが良いでしょう.このためもし可能であれば日本で奨学金を得るのが良いと思います.
奨学金を持っているということは,金銭的な余裕ができるだけでなく,出願にあたっても有利に働きます.まず第一に,奨学金を得られたということは,いわばその団体によって出願者の能力が保証されているというようにも考えることができます.これまでの実績がある奨学金団体などから支援を受けられることになった場合は,大学側から「〇〇奨学金を持っているので合格にした」と言われることがあるわけです(実際にこのようなケースを見ました).
さらに多くの大学院では,奨学金などのFundingを持っていない学生に対し,TAやRAなどの仕事を可能な限り割り当てようとしてくれます.しかしながらこれらの費用は学校側の負担となるため,割り当てることができる数は非常に限られています.もし奨学金を持っていた場合には,学校側は費用の負担を考慮する必要がないため,入学が認められる可能性が高くなるというわけです.
インターネットなどで調べると,数はそれほど多くないものの,いくつか大学・大学院への留学生を対象とした奨学金が見つかるはずです.また留学情報サービス内の奨学金制度一覧のページには,主な奨学金団体がまとめられていますので,ぜひ確認してみてください.またここ最近有名になってきた「トビタテ!留学JAPAN」は高専生の応募枠があったように記憶しています.ただし私の出願時には「トビタテ!留学JAPAN」は残念ながら海外での学位取得を認めていなかったため,応募を見送りました.
私は入学から2年間,船井情報科学振興財団より奨学金を頂くことができることとなりました.この財団の支援内容は,他の奨学金と比較しても非常に充実しており,これから大学院留学を考えている方にはぜひおすすめしたい奨学金です.名前に「情報科学」と含まれていますが,これまでの奨学生には物理学・化学・農学のほか,経済学などの専攻の方も含まれていますので,もし興味のある方はぜひ応募を検討してみてください.